相続問題を事前に考える

相続問題について（近年の状況やデメリット）

相続トラブルは近年増加しています。実際、遺産の分割について相続人の間での話し合いがまとまらず、家庭裁判所での調停や審判に至る件数が、ここ10年で約25％増えています。相続トラブルは、当事者が酷く憎み合い、絶縁状態になってしまったり、争いが3年以上に長引いたりすることも少なくありません。金銭的にも精神的にも当事者やその家族にもたらす影響は深刻なものといえます。

よくある相続トラブルとそれに対する有効な相続対策

被相続人（故人）の財産の全容を、相続人（故人の子など）が把握できておらず、「他の相続人（兄弟や親戚など）に財産を使い込まれてしまったのではないか」「隠されてしまったのではないか」と、相続人の間で疑心暗鬼となり、トラブルに発展するケースは珍しくありません。また、相続財産のうち不動産が多くを占める場合、金銭と異なり相続人の間で分割が困難なため、トラブルに発展しやすいといえます。

相続トラブルを事前に防ぐための有効な対策としては、遺言書を書くことが挙げられます。遺言書によって事前に所有している財産を明らかにしておくことや、財産の分割方法についても、被相続人の意思を尊重し、遺言の内容が優先されるため、相続人の間でもめるリスクを減らすことが出来ます。
ただ、被相続人の意思を反映した財産の分配が、時には相続人に対し加重な税金負担を強いることになる場合もあるため、遺言書を作成する前に財産の分配方法について一度専門家に相談することが望ましいといえます。