2020.04.30
最近、エンディングノートにはどのようなことを記載すれば良いかをご相談頂く機会が増えました。そこで、エンディングノートに記載した方が良い情報をご紹介させて頂きます。
1 ご自身の情報
ご自身の基本情報(氏名、住所、本籍、生年月日)を記入します。
※戸籍謄本をノートに添付しておくと良いでしょう。
2 財産の概要
(1)預貯金
口座の情報(金融機関名、支店名、種類、口座番号)を金融機関ごとに記入します。
*故人の口座の情報がわからない場合、残された家族は口座の情報を調べなければなりませんし、家族が預貯金を発見することができず、預貯金を相続しないまま放置されることになってしまう可能性があります。エンディングノートに口座の情報が記載されているだけでも、残された家族は大変助かります。
(2)不動産
不動産の情報(物件の種類(土地、建物)、用途、名義、所在地など)を不動産ごとに記入します。
*法務局で登記事項証明書を入手して、正確な情報を確認することがお勧めです。
※登記事項証明書をノートに添付しておくと良いでしょう。
(3)その他の財産
・生命保険については、保険会社名、証券番号、保険の種類、保険金の受取人名、連絡先を記入します。
※保険証券の写しをノートに添付しておくと良いでしょう。
・株式や投資信託については、金融機関名、支店名、支店コード・口座番号を記入します。
・自動車については、車種、車名、車台番号を記入します。
・その他ゴルフ会員権、貴金属、絵画、骨董品など価値のあるものを記入します。残された家族が、財産の価値を知らなかったために、産廃業者に依頼して廃棄してしまった、などといったことが無いようにする必要があります。
(4)負債・借金の情報
・ローンなど、負債がある場合には、ローンの種類、借入先、借入金額、完済予定日、連絡先などを記入します。
*相続人は、プラスの資産だけでなく、負債・借金も相続することになります。負債・借金をノートに書いておくことにより、家族が相続をするか相続放棄をするかの判断をしやすくなります。
※債務の明細が記載された資料をノートに添付しておくと良いでしょう。
3 パソコン、携帯電話、SNS等の情報
・パソコンや携帯電話に使用するパスワード、ホームページやSNSなどのアカウント情報(SNSアカウント名、パスワード)、金融取引をする際に使用するパスワードなどを記載します。
*パソコンや携帯電話のパスワードが分からない場合、残された家族は重要なデータにアクセスすることができなくなってしまいます。
*ご自身が管理しているホームページやSNSなどのアカウント情報を知らせておかないと、ホームページやSNSアカウントがインターネット上に半永久的に残ってしまうことになりかねません。そのような事態を防ぐためにも、ホームページやSNSなどのアカウント情報を家族に知らせる必要があります。
4 遺言書の有無
遺言書の有無(遺言書が有る場合には種類、作成日、保管場所なども記載すると良いでしょう。)を記載しておくと良いでしょう。
*残された家族が遺言書の存在に気がつかなかった場合には、遺産分割協議をしなければならなくなります。そのような事態にならないようにするためにも、遺言書があるのであれば、そのことも記載しておく必要があります。
5 葬儀・埋葬の希望
ご自身の希望する葬儀の方法、葬儀の費用を準備している場合にはその情報、ご自身の希望する葬儀社の情報、埋葬方法の希望などを記入します。
6 連絡先の情報
残された家族が万一のときに連絡をとりやすくするために、親族、知人、団体などの名前・連絡先、ご自身との関係などを記入します。
特に、葬儀や法事の際に出席して欲しい方の情報は必ず記入しましょう。
7 その他
戸籍謄本、不動産の登記事項証明書、保険証券の写しをノートに添付しておくことがお勧めです。
井上 侑